2019年海の日の祝日は7月15日。実は意外と由緒正しいその由来とは?

2019年7月15日海の日です。海の日は国民の祝日です。ですから法律が変わらない限り、今年に限らず毎年ずっとある訳ですが、海の日は毎年同じ日ではありません。7月の半ば頃であることは間違いありませんが、何日なのかは毎年違います。

ところで、海の日とはそもそも何の日なのでしょう。決して勝手に、海開きの日などと同一にしてはいけません。わざわざ祝日にしているのですから、お祝いすべき理由がちゃんとあるのです。

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目次

海の日は国民の祝日

海の日は、国民の祝日に関する法律祝日法)で定められた休日です。祝日法は昭和23(1948)年7月20日に公布され、即日施行されましたが、その後現在に至るまで度々改正されています。

平成7(1995)年3月8日に改正されて、翌平成8(1996)年1月1日に施行されたのが海の日です。その趣旨としては、海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願うためであると、法律に明記してあります。

海の日は、平成28(2016)年から始まった山の日に次いで二番目に新しく制定された祝日なのですが、それでももう四半世紀近くも月日が流れています。制定当初は7月20日という固定された日でした。

海の日はハッピーマンデー

ところが平成10(1998)年には「国民の祝日に関する法律の一部を改正する法律」、そして平成13(2001)年には「国民の祝日に関する法律及び老人福祉法の一部を改正する法律」が制定されたりして、いわゆるハッピーマンデー制度が導入されたことにより、平成15(2003)年以降の海の日は7月20日から7月の第3月曜日に移行されたのです。

ですから昨年平成最後の2018年の海の日7月16日でしたが、令和元年である今年2019年の海の日7月15日で、違う日となるのです。

ただしどちらも7月の第3月曜日であることには違いがありませんので、そういう意味では、固定された日と言えなくもないです。

海の日は東京五輪開会式前夜祭の日

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では来年はどうでしょう。規則に従えば、当然7月20日になるのですが、ところがそうではないのです。令和2年である来年2020年の海の日は、7月23日なのです。しかも月曜日ではなく、木曜日です。一体どういうことなのでしょうか。

これは来年令和2年に開催される東京五輪の影響であり、そのための特措法によるものです。オリンピックの開会式は7月24日ですので、このスポーツの祭典に合わせて、海の日を例外的に7月23日に移動させて、祝日にしてオリンピックを国民みんなで盛り上げようという考えです。

では開会式当日の7月24日はどうなるのでしょうか。ご安心下さい。その日は別の祝日が用意されています。本来10月の第2月曜日である体育の日が、ここに移動されます。なお体育の日は、来年よりその名称をスポーツの日と改めます。

これで木曜日と金曜日が祝日となり、人によっては翌土曜日と翌々日曜日も休日で、オリンピック開催に合わせて4連休となる訳です。

ちなみに閉会式には山の日が用意されています。本来の8月11日を前日、即ち閉会式翌日の8月10日月曜日に前倒しし、ここでも多くの人が土日月と3連休になるように配慮されているのです。

海の日の由来

しかしこれでは単に祝日というだけで、海の日の趣旨というものが全く反映されていません。これはあくまで特措法による来年一年限りの話なのですが、ここ最近においても、単に海に関するお祭り騒ぎをするだけの日になってしまっている傾向が強く、海の恩恵に感謝する日という本来の意味が忘れられつつあります。

海の日は制定当時は7月20日で、その7月20日というのは、元々は海の記念日という記念日でした。海の記念日は、昭和16(1941)年に、当時の逓信大臣であった村田省蔵という人物の提唱によって制定されたものです。

それは明治天皇の偉業を称える日だったのです。明治天皇は従来の古めかしい慣習を改めて、全国を精力的に巡幸し、日本の近代化のための改革を次々と行いました。

その一環として明治9(1876)年、明治天皇は2か月近くにも及ぶ日々を費やして東北地方を巡幸されました。この時初めて船に乗船されて、青森から函館を経由して横浜に入港し、御用邸に戻られたのです。

この横浜に到着された日が、7月20日だった訳です。ですから海の記念日や海の日が7月20日であったことにはれっきとした意味がありました。

それが現在では、その日の歴史的意義も完全に無視されて、海の日が本来あるべき姿とは本末転倒で程遠いものになりつつあります。

そこでそうした現状を憂いた海洋関係者や超党派の国会議員によって、海の日を当初の7月20日に戻そうとする動きが出てきています。

おわりに

日本は島国です。四方を海で囲われています。海なくしてこの日本国の繁栄を語ることはできません。明治天皇による近代国家の形成に思いを巡らしながら、海の恩恵に感謝して、海洋国日本の益々の発展を願わねばなりません。

地球の表面の3分の2は海で覆われています。それにもかかわらず、海に関する日を国民の祝日にしている国というのは、世界広しといえども、唯一我が国日本だけなのです。

各種イベントで盛り上がり、祝日を愉快に過ごすのも結構ですが、肝心の祝日の意義が顧みられていないのは甚だ残念です。

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