冬至と言えばカボチャとユズ。かぼちゃは食べもの、ゆずは聴くもの。

冬に至ると書いて「冬至」、そしてそれは「とうじ」と読みます。

冬至に該当する日の特徴は、北半球においては、一年のうちで最も日の出から日没までの時間が短いことです。だったら冬至とはそういう日のこと、と説明すれば手っ取り早いのですが、それだけでは正解ではないのです。

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目次

冬至とは

冬至という言葉は暦学的にも天文学的にも使われていますが、両者の意味合いは同じようで微妙に違います。

前者で冬至と言う場合は、北半球においての日の出から日没までの時間が一年で最も短い日のことを指しますが、後者では、その日の、ある瞬間(太陽黄経が270度となった時)のみを意味し、この瞬間を含む日は「冬至日」と呼んでいます。

また前者では、期間としての意味もあり、この日から、次の二十四節気のひとつである小寒の前日までを示すこともあります。

冬至に欠かせない南瓜と柚子

日本には古くから、冬至にまつわる風習がいくつかあります。その中でもとりわけ冬至を代表するようなものがふたつあります。南瓜と柚子です。

冬至に食べるかぼちゃ

冬至にかぼちゃの煮物を食べる風習はよく知られています。冬至にかぼちゃを食べると中風にならず、あるいは長生きするとも、栄養をとるためともいわれています。

しかし、かぼちゃは夏野菜のはずなのに、どうして冬至に重宝されるのでしょうか。

この時期は日照時間が短く、野菜が不足がちになって、ビタミンの摂取量も足りなくなります。かぼちゃは保存が利きくので、冬場のビタミン摂取のために保存されていましたので、冬至に、厄払い的役目を帯びて調理されて食卓に並べられたのです。

つまり、一年で日照時間の一番短い日に、無病息災を願って食したわけです。

冬至に浴する冬至風呂

冬至の日には、冬至風呂と称してゆず湯に入る習慣も、よく知れ渡っています。天保9年の「東都歳時記」によれば流行し始めたのは江戸の銭湯からであると言われています。

なぜ湯船にゆずを浮かせるようになったかというと、ゆずには邪気を払う役目があると同時に、ゆずに含まれている成分が体を芯から温め、風邪を予防したからです。また、ゆずの成分には皮膚の保護の役割を果たすものがあると言われ、寒さで荒れる肌のケアにも役立ちました。

冬至の日はライブの日…だった

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このように、かぼちゃは食べるもの、ゆずは風呂に入れるものとして、冬至には欠かせないものとなっていますが、ゆずは冬至に聴くものとしても一役を成していました。

「ゆず」というデュオのミュージシャンが、デビュー以来
2017年まで20年間、冬至のゆず湯に因んで毎年冬至の日にライブを開催していました。

入場料は、なんと、無料だったのですが、開催会場は当日になるまで分からないという、まるでミステリーツアーのような企画でした。

それでもファンはもちろんのこと、多くの人たちが、毎年この日のこの企画を楽しみにしていたのですが、残念ながらこの意気で洒落た催しはデビュー20周年を区切りとして、2017年の20回目を最後に終了してしまいました。

おわりに

冬至には、かぼちゃやゆずの他にも、結構色々と関連付けられているものがあります。

それはなぜかと言うと、冬至は一年中で明るい時間が最も少ない日であり、それはすなわち、死に一番近い日と昔では考えられていました。

そんな不吉な日の厄払いとして、体を温め、無病息災を祈ったりするために、体にいいものが飲んだり食べたりされたというわけです。

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