立夏の意味。なぜ夏が立つ?いつ立つ?いつまで立ってて、いつ座る?

立夏りっかは季節を表す言葉です。二十四節気の第7番目です。二十四節気は太陽の動きを基にしたもので、古代中国で考案されました。

太陽が移動する天球上の道である黄道を24等分し、その分割点を含む日に季節を表す名称を付けたものが二十四節気です。日本でも古くから暦に取り入れられ、今でも季節の目安として使われています。

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夏が立つのか、夏を立てるのか

立夏の前側の文字の、「立つ」という自動詞には、短いながらも色々な用法があり、我々ネイティブスピーカーは無意識でそれを使いこなしていますが、実は大変奥深い言葉です。

その中で「立つ」には、新しい季節が始まるといった意味があります。立夏はまさにこの、英語で言うところのSTARTの意味での用法となります。即ち、立夏とは、夏が始まるという意味です。

一方でこれを他動詞にして「立てる」とした場合、これも色々な使われ方がある中で、自動詞のようにSTARTと同義で使われることはありません。つまり季節を始めるといった意味はないのです。ですから立夏は、日本人の思考からすれば、夏が立つのであって、夏を立てると解釈してしまうと、どうにも妙な感じになってしまいます。

そもそも、夏を立てるとして、主語は何ですか。誰が立てるのですか。為政者ですか。それとも一般人ですか。いずれにせよ神のみぞ知る天空に関する事態に、神の創造物に過ぎないものが変化を加えることなど、畏れ多い話です。

ところが、神をも畏れぬ覇道の権力者達がいたのです。中国の長い歴史は、覇王による王朝の樹立と衰退の繰り返しです。絶大な力を誇示しなければならない覇王は、季節をも自ら「立てる」ものと捉えていたのでしょう。実は、立夏と書けば、中国的思考では、夏を立てるということになり、夏が立つなら夏立と書くべきです。

思い出してみて下さい。二十四節気とは、元々中国で生まれた発想であり、それぞれの節気の名称は、中国人が付けたものなのです。だから本来は、夏を立てるとすべきでしょう。いわば、中国的思考と、日本的思考の違いですが、ここでは敢えて日本的思考で話を進めましょう。

夏が立つ時

二十四節気は太陽黄道を24等分したものだから、それぞれの節気が来る日は毎年明確に決まっています。ただし、太陽黄道が360°なのに対して、1年は365日又は366日あります。このように分母が違うので、暦の上でこの節気は毎年何月何日に必ず来るとは言えません。

ですから、より正確な言い方をすれば、立夏の前の節気である穀雨こくうの期間が終わった次の日が立夏であり、その日1日だけを指すこともあるし、立夏の次の節気の小満しょうまんが始まる日の前日までの期間を指す場合もあります。また天文学的には、立夏になった瞬間を指したりします。

しかしこれでは具体的な日が全く把握できません。そこで、「頃」という言葉を付けて、幅を持たせます。第7節気の分割点は5月5日頃、第8節気の分割点は5月21日頃ですので、結局立夏と言えば、狭義では5月5日頃の1日間広義では5月5日頃から5月20日頃までの約15日間を示します。

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夏はいつまで

日本的思考に基いて、夏が立つとして、立った後は座るのかと言えば、もちろんそんなことはありません。そしてこの場合の「立つ」は、始まるという意味ですから、夏が立った後は、座るのではなく、終わるのです。

この約15日間が過ぎれば立夏という節気は終わりますが、立夏が過ぎて小満となり、小満が過ぎて芒種ぼうしゅとなり、芒種が過ぎて夏至げしとなり、夏至が過ぎて小暑しょうしょとなり、小暑が過ぎて大暑たいしょとなり、その大暑が終わるまで二十四節気としての夏の期間は続きます。

そもそも二十四節気のそれぞれの名称は、季節の目安に過ぎませんから、立夏と言っても本格的な夏ではありませんし、立夏が過ぎて夏が終わりなら、夏が来る前に夏が終わってしまうという、悲しい事態になってしまいます。

立つのは夏だけではない

季節は夏だけではありません。他にも春と秋と冬があります。それからが1年間でサイクルしていて、ひとつの季節が終われば次の季節となります。即ち、その時それぞれの季節が「立つ」訳です。

二十四節気は立春りっしゅんをもって始まります。夏としての最後の節気である大暑が終われば、次に来る節気は立秋りっしゅうです。立冬りっとうという節気ももちろんあります。

二十四節気は、太陽の黄道を24等分したものと何度も申し上げていますが、その時に先ず基本となったのが昼である時間の最長点と最短点で二分することです。この2点の節気の名称は夏至と冬至とうじです。

次に昼の時間と夜の時間が同じとされる春分点秋分点での二分です。春分しゅんぶん秋分しゅうぶんという節気の名称です。実際にはどちらも昼間の方が長いらしいのですが、難しい話はここでは割愛します。

そしてこの4点の丁度中間点に入れたものが立春と立夏と立秋と立冬です。夏至と冬至を二至にしと言い、春分と秋分は二分にぶんと言います。両方合わせて二至二分です。

二至二分の中間点である4つの節気は四立しりゅうと呼び、更に二至二分と四立を併せて八節はっせつと言い、二十四ある節気の中でも重要な節気と位置付けられています。

おわりに

因みに元号令和に改まってからの最初の二十四節気はこの立夏です。令和元年の立夏は5月6日になります。

今年の場合、5月6日はこどもの日の振替休日だとか、ゴールデンウィークや10連休の最後の日だとかいった覚え方をするのではなく、5月6日は立夏だと覚えましょう。

但し立夏は毎年同じ日とは限りませんので、この覚え方はくれぐれも今年限りにして下さい。だって来年も再来年も、更にはその次の年も、立夏は5月5日ですから。

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