土用と言えば丑の日、そして土用の丑の日と言って真っ先に思い付くのは、その日に鰻を食べることです。今年の場合は7月27日です。つまり、2019年7月27日は土用の丑の日で、土曜の鰻の日です。
ウシの日と言っても、牛を食べるのではありません。別に食べてもいいのでしょうが、牛を食べたからと言って、ドヨウのウシの日としては大して意味がありません。
この日に食べるべきものは、鰻とされています。だからこの日はドヨウのウナギの日でもあるのです。
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土用と土曜の関係
しかしながら土用と土曜は、言うまでもなく全く関係ありません。2019年の土用の丑の日が、たまたま土曜日になっただけです。しかも土用の丑の日とされる日は、1回だけでなく、年に複数回あります。
そのうち立秋前の、夏の暑い時期にある土用の丑の日が、鰻を食する日とされていて、近年ではその日を指してのみ、いわゆる土用の丑の日と呼んでいる場合が多いようです。しかしそれとて1日だけとは限りません。
例えば、2018年の場合は狭義の意味での土用の丑の日は7月20日と8月1日の2回ありましたし、同様に2020年の場合でも7月21日と8月2日の2回存在します。
そこで最初の日を一の丑、2回目を二の丑と呼んで区別します。逆に言えば、2019年は一の丑だけということになります。
その中で2018年7月20日は金曜日、同年8月1日は水曜日、2020年7月21日は火曜日、同年8月2日は日曜日であり、土曜日ではありません。土用が土曜になるのは、単なるめぐり合わせということになります。
丑の日と鰻の日の関係
そもそも丑の日というのは、干支を用いた暦のことで、十干十二支で60日を1周期としています。その中には、乙丑、丁丑、己丑、辛丑、そして癸丑の、五つの丑の日があります。
そして曜日の方は7日が1周期ですから、結局丑の日が何曜日になるかは、五つの丑の日のある60日の歯車と7日の歯車の、噛み合わせ次第ということなのです。
さてその夏の盛りの土用の丑の日をなぜ鰻の日としているかについては、ひとつは暑いからバテないように精を付けようという意味もあるでしょう。
しかし、ただそれだけの意味なら何も丑の日限定にせずとも、子の日でも、寅の日でも、卯の日でも何でもいいはずです。
しかし丑の日には、元々その日に「う」から始まる食べ物を食べて無病息災に過ごすという慣わしがあったのです。
丑の日と鰻を結びつけたのは、夏場に売れない鰻を何とかしたいという、うなぎ屋からの相談を受けた江戸時代の学者、平賀源内だという説もあります。
いずれにせよ、夏場の土用の丑の日に鰻を食するようになったのは、江戸時代からということみたいです。
土用とは
土用とは本来土旺用事のことであり、それを略して土用と言います。土用の土は木・火・土・金・水が基本の陰陽五行説という考え方の中の土のことです。
現在暦で使われている曜日にも土がありますが、陰陽五行説の土は土曜日のことではありません。
陰陽五行説における季節は、春が木、夏が火、秋が金、冬が水と考えました。母体が四つのものを五つで分けるのですから、当然一つは余ります。
では余った土はどうしたのかというと、四季それぞれの最後の約18日にしました。それが土用です。
ですから土用には、立春前の冬土用、立夏前の春土用、立秋前の夏土用、立冬前の冬土用が、それぞれ約18日ずつ存在するわけです。
それらの日々は、いわば次の季節へ移る前の準備期間、あるいは調整期間のようなものでしょう。
そしてそれぞれに、本来の意味で言う土用の丑の日が存在するのです。
土用は、九つある雑節の一つでもあります。雑節とは、日本の気候風土に合わせて考え出された、日本独自の暦日です。
おわりに
近年では鰻の量が激減し、価格も高騰の一途です。うなぎ料理を口にするのは、ここぞという時の庶民のちょっとした贅沢でしたが、そのちょっとしたことですら、簡単にはできなくなりました。
しかしながらそれでも年に1回や2回の土用の丑の日くらい、ここで言うのは夏土用に限った狭義の意味での土用の丑の日のことですが、そんな日くらい日本人のDNAを目覚めさせて、みんなでこぞってうなぎ料理を食べようではありませんか!
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