天皇皇后両陛下、最後の三大行幸啓。平成最後は高知県へおふたりで。

天皇皇后両陛下が、平成30年10月28日、最後の三大行幸啓として高知県での式典に出席されました。

両陛下は、平成5年の香川・徳島国体以外は全て、おふたりそろって三大行事に出席し続けてきました。その仲睦ましいおふたりのお姿を三大行事でお目に掛けることができたのも、これで最後となりました。

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目次

皇族の外出用語

天皇陛下をはじめとして、ご皇族の方々が皇居や御所、宮邸あるいは皇族邸からお出かけになられる場合は、いにしえからのならいにより、特別な用語が使われます。

天皇の場合

天皇が外出されることを「行幸(ぎょうこう、みゆき)」といいます。そのうち特に外出される先が複数ある場合は、「巡幸(じゅんこう)」と言います。

また「行幸」と同じ意味で「御幸(ごこう、ぎょこう、みゆき)」という言葉を使う時もありますが、この場合は天皇以外にも、上皇・法皇・女院に対しても使われます。

皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃の場合

皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃の外出は「行啓(ぎょうけい)」、または「巡啓(じゅんけい)」と言います。

だから天皇と皇后・皇太后・皇太子・皇太子妃がご一緒にお出かけになる時は、行幸と行啓が合わさって「行幸啓(ぎょうこうけい)」、その目的地が複数の場合は「巡幸啓(じゅんこうけい)」と言います。

しかし単に行幸啓といった場合は、天皇と皇后が一緒に外出することを指しますし、実際皇后以外と一緒に行幸啓される機会は稀有です。

それ以外の皇族

秋篠宮殿下は間もなく皇嗣という、かつてない身分になられますが、皇太子と同等の立場とのことですので、この場合も行啓、巡啓が用いられるでしょう。

その他の皇族の外出は「御成り、お成り(おなり)」と言います。

外出先から戻る時

行きがあれば帰りもあるわけで、行きに特別な言い方があるように、帰りにも特別な言い方があります。

行幸啓した皇族が外出先から帰ることを「還幸(かんこう)」「還啓(かんけい)」「還幸啓(かんこうけい)」と言います。またお成りをした皇族が外出先から帰ることを「ご帰還(ごきかん)」と言います。

三大行幸啓

少しでも外出されれば行幸という言葉を使いますので、例えば陛下が国務として国家議事堂に赴かれても行幸されたことになりますし、両国国技館へ大相撲観戦されに行かれても、国技館へ行幸したことになります。

その中で、「三大行幸啓」と称される行き先があります。毎年核都道府県がどれかひとつを持ち回りで開催している3つの行事に出席することです。

その3つとは、昭和21年から開始された「国民体育大会」(略称は国体、1-2月に行われる冬季大会と、9-10月に行われる本大会がある)、昭和25年に始まった「全国植樹祭」(第1回より昭和44年の第20回までの名称は「植樹行事並びに国土緑化大会」)、そしてもうひとつは最も新しく昭和56年から行われている「全国豊かな海つくり大会」です。

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平成5年の第48回東四国大会の時だけは、皇后陛下のご体調がすぐれず、天皇陛下おひとりだけの行幸となりましたが、それ以外の三大会の全てにおふたりで出席されてこられましたので、特別に三大行幸啓と称されています。

ただし、宮内庁としては、両陛下はどのお務めもひとつひとつ同じように大切にしているので、行幸啓するのに特別な行き先とか、三大と称されるようなものはない、との見解だそうです。

おわりに

平成最後の三大行幸啓が滞りなく終了しました。平成の御代は間もなく終了致します。

2019年5月1日には新しい御代が開幕します。その新時代の、現在皇太子殿下であらせられる新天皇陛下が、三大会の内で、一番最初に行幸されるのはどこかご存知でしょうか。

それは愛知県です。2019年6月2日に開催される、「第70回全国植樹祭あいち2019」がそれです。

新皇后陛下になられる現皇太子妃殿下のご健康上の不安がないとは言い切れませんので、平成の時のように「三大行幸啓」となるかどうかはまだ分かりません。

しかし、少なくとも新時代で一番最初の「三大行幸」であることは間違いありません。

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