恵方巻の虎の巻。いつから?何の意味?2019年の恵方はどっちの方角?

恵方に向かって恵方巻を節分の日に丸ごとかぶりつくなんて大胆な事、貴方はやっていますか?やっているとしたら、いつからやっていますか?何でやっているのですか?意味分かってますか?えっ、分かっていない…⁇

人に遅れまいと、訳も分からず流行りに便乗するのは結構ですが、くれぐれも仕掛ける側の戦術に見事にはまって踊らされているだけという事にだけはならない様、十分に気を付けて下さい。

さて恵方巻とは何ぞや。その虎の巻を今から紐解いていきましょう。

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恵方巻を食べるのは新しい習慣

ここ数年来は、正月の松の内が明けた頃にはもう早々と、コンビニエンスストアでの節分用の恵方巻の売り込みをもくろんだ幟(のぼり)や宣伝用のポスターが、やたらと目立ち始めます。

このコンビニこそが、まさにこの時期を恵方巻一色にしてしまう仕掛け人です。昭和58(1983)年、大阪と兵庫のファミリーマートが、日本で初めてコンビニで恵方巻を売り出しました。

なぜならばコンビニ業界では、1月下旬から2月上旬に売上が下落していたからです。その対策として恵方巻の販売を始めたという訳です。

ターゲットはコンビニを利用する可能性のある、或いは実際に利用していた、若い一般男女でした。

家庭で料理を作る事もなく、かといって値の張る店に外食に行くのもままならない、でもたまには気の利いた旨そうなものを食べてみたい。そんな若者の需要と供給のバランスが見事にマッチしたのでした。

その後はまず西日本に広がり、それから全国に広がっていきました。ですから、日本人全体としては、まだまだ生まれたばかりの習慣と言えるでしょう。

恵方巻を食べるのは古くからの文化か?

ではこの新しい習慣は、商業的にコンビニ業界が仕掛けた、全くの作り話なのでしょうか。一応、そうなる前に、それなりの背景がいくつかある様です。

古くは、戦国時代の武将が、節分に丸かぶりして戦に勝ったとか、江戸時代中期には、節分の頃に出回る新しい香の物が入った巻き寿司を丸かぶりして縁起をかついだとかいった話があります。

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或いは幕末から明治時代初頭に、大阪の船場(せんば)で商売繁盛、無病息災、家内円満を願ったのが始まりといった説もあります。

また戦前においては、その船場の商家の旦那衆が、花街での大尽遊びで、節分の日に遊女に巻寿司を丸かぶりさせるのが流行っていて、それに由来するという説もあります。

しかしいずれの説にも確たる裏付けはなく、信憑性のない話ばかりです。

花街の件などは、昭和7(1932)年、大阪鮓商組合の「巻壽司と福の神/節分の日に丸かぶり」という宣伝広告に出てきた逸話であり、どうもこの辺りが恵方巻の走りではないかと思われます。

そして戦後になってからは、昭和48(1973)年大阪海苔協同組合が「恵方に向って無言で家族そろって巻き寿司を丸かぶり云々」というフレーズの広告を出しています。

海苔は戦後になって養殖技術が発展し、安定供給が可能になった半面、供給過剰になりつつありました。その対策もあって、寿司業界と海苔業界が結託して恵方巻の販売促進に努めたのが次の段階です。

それによって大阪に節分の恵方巻が定着し始め、1980年代に入ってファミリーマートをはじめとするコンビニ業界が便乗した上に火をつけて回って、現在の通りの全国区に仕立て上げたのです。

恵方巻の流儀

コンビニの作り話ではないにせよ、結局商業的思惑のニオイがプンプンする恵方巻ですが、それでも恵方巻にはそれなりの意味があります。

仕掛けに踊らされるのを承知の上でなお恵方巻にこだわる人は、なぜ恵方巻なのかという事も十分理解しておかなければなりません。

恵方とは

先程来恵方恵方と何度も繰り返し出てきますが、今更ながら、恵方とは一体なんなのでしょうか。

恵方(えほう)とは、歳徳神(としとくじん)という、その年の福徳をつかさどる神様がいる方角の事です。明の方(あきのかた)とも言われます。その方角には祟り神などが巡ってこず、全てにおいて吉とされています。

因みに平成31(2019)年の恵方は東北東です。

恵方巻とは

恵方巻は巻寿司です。海苔に包まれた太巻の事です。その太巻を鬼の金棒に見立てて、太巻を食べる事で鬼退治をしたと捉える訳です。

太巻の具には、七福神に因んで、7種類の具材を使うべきとされています。福を巻き込む訳です。だから恵方巻を食べるという事は、商売繁盛や無病息災を祈願するという意味合いもあるのです。

ただ具材には特定なものが決まっている訳ではありません。それどころか近頃では、巻寿司ならぬロールケーキを恵方巻として食べる家庭も増えているそうです。

恵方巻の食べ方

いずれにせよ、その恵方巻には決められた食べ方というものがあります。

節分の日に、その年の恵方に向かって願い事を思い浮かべながら無言で丸かじりするのが正しい食べ方とされています。

とは言うものの、地方によっては、目を閉じて食べよだの、笑いながら食べよだの言うところもある様です。まあ、食べ方よりも、願い事をするという事の方が、多分肝心なのでしょう。

恵方巻と節分

では、そもそも何故、恵方巻を食べるのは節分の日となっているのでしょうか。

節分とは読んで字の如く、節を分ける日の事で、年に4回ある季節の変わり目の前日の事を指します。その中でも二十四節気(にじゅうしせっき)の最初の節気である立春の前日の節分が最も重要視され、いわゆる節分と言えば、立春の前の、2月3日頃の節分を指します。

昔から季節の変わり目には、邪気が生じ、鬼が来ると考えられて、豆まきは今でも恵方巻より先に頭に浮かぶであろう大切な節分の日の行事でしょうが、その豆まきなどは邪気を祓うのが目的です。

その鬼がいる方角が鬼門とされ、忌み嫌われました。鬼門とは北東の事です。この鬼絡みで恵方が節分と関連付けられ、更には恵方巻へと派生していったのです。

おわりに

今日に至るまで、節分に恵方巻を丸かじりする習慣を知らなかった幸運な方はいらっしゃいますか。幸運と申し上げたのは、今日の今日まで、一儲けしてやろうと企む商売人の術中にはまらずにいたからです。

しかし術中にはまる事が悪いことかと言えば、必ずしもそうとは限りません。持ちつ持たれつは日本人の美徳です。ユニークな食材を提供してくれる側があるからこそ、我々の食生活は豊かなのであり、食文化を誇る事ができるのです。

恵方巻。仕掛けられたとしても、別にいいではありませんか。恵方に向かって、願い事を思い浮かべながら巻寿司にかぶりついて、それで願いが叶うというなら!

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