滋賀県高島市は、日本最大の湖、琵琶湖の北西に位置します。湖面を含む面積は693.05㎢と県下最大、湖面を除いても長浜市に次いで二番目です。
一方平成30(2018)年10月1日現在の推定人口は47930人で、人口密度としては69.2人/㎢となり犬上郡多賀町に次いで低い数字となっています。
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高島市のタカシマは、髙島屋のタカシマ
高島市は、いわゆる平成の大合併によって、平成17(2005)年1月1日、それまでの高島郡であった6町村、即ち、旧マキノ町、旧今津町、旧朽木村、旧安曇川町、旧高島町、旧新旭町が一緒になって誕生しました。
当初は旧朽木村以外の5町で合併協議されていて、新自治体名は西近江市で決定していましたが、住民からは評判が悪く、その後旧朽木村が合併協議に加わり6町村での合併となった時に新市名を再検討して、高島市に変更されました。
髙島屋という有名百貨店がありますが、実はこの高島市と深い関わりを持ちます。髙島屋は、天保2(1831)年1月10日、初代の飯田新七が京都烏丸松原にて、古着・木綿商「たかしまや」を創業したのが始まります。
その屋号は、創業者である飯田新七の義父が、現在の高島市にあたる近江国高島郡の出身であったことに因んで名付けたものなのです。
今ではハイランドグループという百貨店共同体の中核企業として君臨し、日本国内のみならず海外にも多数店舗を出店させて、巨大百貨店グループを形成している髙島屋です。
高島という市名が採用されて、きっと偉大なる創業者も草葉の陰で、安堵した違いありません。因みにその後髙島屋は、平成29(2017)年4月16日、高島市と髙島屋洛西店の間で、高島市の地域活性化と協働事業を通じてのお互いの発展への寄与を目的とした、包括連携協定を結びました。
風光明媚この上ない高島市
高島市は、森と里と湖に抱かれた豊かな自然の宝庫です。湖面周辺には平地が広がっていますが、周りの険しい山々から流れ注ぐ水は、琵琶湖水量の約3分の1を生成しています。
水とともに栄えた町であり、重要文化的景観に、高島市 海津・西浜・知内の水辺景観(高島市マキノ町)、高島市・針江・霜降の水辺景観(高島市新旭町)、大溝の水辺景観(高島市勝野)の3つの水辺景観が選定されています。
また、日本のさくら名所百選として海津大崎の桜(高島市マキノ町)、新・日本街路樹百景としてメタセコイア並木(同町)、日本の紅葉百選として生杉のブナ原生林(高島市朽木)をはじめとする様々な日本百選に選ばれた名所が15か所もあり、色とりどりの四季を楽しませてくれます。
名産物も豊富な高島市
高島市は古来より、京都や奈良の都と北陸を結ぶ交通の要衝として栄えてきました。その中でも主となったのが比叡・比良山麓を湖畔に沿って走る西近江路や、北陸に続く若狭街道です。若桜街道は塩漬けされた鯖を運搬する街道であったことから鯖街道と呼ばれました。
これらの街道は大津方面への湖上交通の拠点である港町や宿場町として栄えたため、鮒鮨、地酒、味噌、醤油、酢などの、この地方独特の気候風土を生かした発酵食が名産物です。
また、食品以外では、高島ちぢみ、高島帆布の鞄といった織物や生地の他、高島扇骨、雲平筆、和蝋燭などといったものも有名です。
おわりに
春は花見、夏は水泳にキャンプ、秋は紅葉、冬はスキーに温泉と、一年中楽しめる高島市。神社仏閣、古墳城跡といった名所旧跡も本当に数多くあります。
そんな高島市へは京都駅からJR湖西線近江今津駅まで新快速で約50分、大阪駅からは約80分、米原駅からはJR北陸本線近江塩津駅まで新快速で約35分、近江塩津駅からJR湖西線近江今津駅まで約20分です。
♪われはうみの子、さすらいの~♪
「琵琶湖周航の歌」という歌にもなった高島市界隈。高島市は、このように誰もが楽しめる広大な観光エリアです。是非一度行ってみて下さい。