宮中晩餐会は天皇皇后両陛下主催。令和最初の国賓は、あの国の元首!

宮中晩餐会きゅうちゅうばんさんかい。その言葉を耳にするだけで、華麗なる社交の場といった印象を強く持ちます。実際私をはじめとする市井しせいの人々にとっては、時折ニュースで取り上げられている情報に遠巻きに触れるだけで、およそ縁遠いものでしょう。

だから逆に、その内容もよく理解しないまま、主催者も来客も料理も超一流の煌びやかな舞台について、勝手なイメージだけを膨らませていないでしょうか。

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宮中晩餐会とは

晩餐会とは、広義の意味では夕方の食事、即ち晩餐をとる催しのことですが、一般的には、客を招いて食事を共にしながら懇親や交歓を行う趣旨で開かれる会のことを指します。

因みに朝の会食の場合の朝餐会、昼食を共にする会である昼餐会というものもあります。しかし最も社交の場に相応しいのは、やはりディナーの場である晩餐会でしょう。

その晩餐会を宮中、即ち皇居宮殿の豊明殿で催すものが、いわゆる宮中晩餐会です。宮中で催されるだけあって、宮中晩餐会の主催者は天皇皇后両陛下てんのうこうごうりょうへいかとなります。

皇嗣殿下皇嗣妃殿下をはじめとする成年皇族の方々、内閣総理大臣及び同夫人、衆議院議長、参議院議長、最高裁判所長官ら三権の長や国務大臣といった行政府の最高責任者他、経済界を牽引するトップクラスの人たちや、ノーベル賞受賞者なども主催側の出席者として、約百数十人規模で来客をもてなします。

もてなす相手は当然ながらただのお客さんではありません。外国から来る要人であり、国家が迎える賓客ひんかくです。それは国賓こくひんです。

国賓には、政府が儀礼を尽くして公式に接遇しなければなりません。国賓は外国の元首やこれに準ずる人たちですが、誰を国賓として招聘し接遇するかは、閣議において決定されます。

国賓は皇室の接遇にあずかる者となり、天皇皇后両陛下を中心とする皇族方は色々な歓迎行事を行うこととなりますが、その中の一つが、宮中晩餐会なのです。そしてこれらは全て、憲法の定めに従った国事行為こくじこういです。

令和最初の国賓

外国からの要人は年に何人も日本を訪問しますが、国賓とされる人が来日するのは年に1~2回です。今年に入ってからはまだ誰も居ませんが、5月25日に今年初めての、つまりは令和最初の国賓が来日します。

その国賓とは、かのアメリカ合衆国大統領、ドナルド・ジョン・トランプ閣下及び令夫人です。5月28日までの滞在で、その間に宮中晩餐会も催されます。令和最初の宮中晩餐会であり、今上陛下きんじょうへいか皇后陛下こうごうへいかの外交デビューの大舞台となります。

周知の通り皇后陛下は米国ハーバード大学をご卒業後帰国され東京大学に入学、外務省試験に合格したため東大を中退され外務省に入省し、外交官としてご活躍された語学堪能の才女でした。

愛子内親王殿下あいこないしんのうでんかご出産後すぐに体調を崩されて長い療養生活に入られ、その並々ならぬ重圧を慮ればお気の毒で仕方ありませんでしたが、近頃はご回復に向かわれているご様子で何よりです。

この令和初の宮中晩餐会という外交の場が、皇后陛下にとってかつての雅やかさを取り戻せる復活の場となることを、心よりお祈り申し上げます。

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そのもてなす相手が、一癖も二癖もあるあのトランプ大統領ですから、皇后陛下はトランプ氏に翻弄されるのではないかという懸念が巷では渦巻いているようですが、私は全く心配ないと思います。

トランプという人は人に会ったりする時は、案外礼儀正しい人なのです。何よりも今上陛下に真っ先にご挨拶申し上げるためにわざわざ日本を訪れるのですから、外交非礼があろうはずがありません。

宮中晩餐会での服装

晩餐会は社交の場であり、ましてや宮中で開催される晩餐会にカジュアルな装いで出席することは許されません。礼装が基本中の基本です。男性の場合礼装とは、正式には燕尾服に白い蝶ネクタイですが、タキシードに黒い蝶ネクタイをする場合もあります。

タキシードは略式ですが、礼装であることには違いありません。その着衣の違いは正式には分かりませんが、もてなす相手の服装にも合わせているようです。

また私が拝見する限り、君主的元首ならば燕尾服、政治的元首ならばタキシードを着られる場合が多いようです。今度のトランプ大統領をもてなす晩餐会では、今上陛下はタキシードを着られるのでしょうか。

鹿鳴館時代

女性皇族は時として和服を装う場合もありますが、男性皇族は皆すべて洋装です。これはどうも鹿鳴館時代ろくめいかんじだいからの慣わしみたいです。

歴史の授業でも出てきた鹿鳴館ろくめいかんは、明治政府が国賓や外国の外交官を接待するため、外国との社交場として建てられた建物です。

当時の日本外交の課題は不平等条約の撤廃にありましたが、時の外務卿井上薫いのうえかおるは、日本が文明国であることを広く諸外国に示す必要があると考え、イギリス人の建築家であるコンドルに依頼して洋風の迎賓館である鹿鳴館を建てさせました。

鹿鳴館には当時の首相であった伊藤博文いとうひろぶみをはじめ,政府の高官や貴紳が、夫人や令嬢を伴って連日のように訪れ、外国人を招待し、西洋貴族の真似をして華やかな宴会や舞踏会が開催されたのです。

その鹿鳴館を中心にした外交政策が鹿鳴館外交ろくめいかんがいこうと呼ばれるものであり、欧化主義が広まった明治10年代後半が鹿鳴館時代と呼ばれている期間です。

晩餐会と聞くと、結局鹿鳴館時代のことが頭に浮かび、ついついこの時代の贅を尽くした華美なイメージへと繋がってしまう訳です。

おわりに

ところが今の宮中晩餐会は、俗人が垣間見て単にうらやましがるような催事ではありません。そこは国家が国家をもてなす社交の場であり、いわば国運を賭けた勝負の場です。

それを主催される天皇皇后両陛下におかれましては、たとえ政治的役割はないにせよ、計り知れない重責を担われている訳です。

考えてもみて下さい。世間一般の人が、いくら素晴らしい料理が食べられ、高級な酒が飲めると言えども、こんなVIPたちを相手に少しの失礼もないように接待できたとして、ああ旨い料理だった、ああ旨い酒だったと楽しめることができますか。私にはできません。

宮中晩餐会は大変なご公務であることを、先ずは理解すべきです。

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