園遊会は、平成に入ってから今年の春までに52回開かれ、延べ12万2700人余りが招かれました。
園遊会に招待された人達は、一般の人は原則入ることができない赤坂御苑の日本庭園の、玉砂利の敷かれた散歩道を、雅楽が奏でられる中、春は新緑を、秋は紅葉を愛でながら、自由に散策することができます。
平成に入ってから53回目の園遊会が、秋の園遊会として10月9日に催されました。即ち、平成最後の園遊会です。
目次
園遊会とは
園遊会とは、天皇皇后両陛下が主催される、野外での交流会です。毎年原則として春と秋の2回、赤坂御苑で催されます。
天皇皇后両陛下がお招きになるのは、衆・参両院の議長・副議長・議員,内閣総理大臣・国務大臣、最高裁判所長官・判事、その他の認証官など立法・行政・司法各機関の要人、都道府県の知事・議会議長、市町村の長・議会議長、各界功績者とそれぞれの配偶者約2000人です。
そのうち各界功績者というのは、産業・文化・芸術・社会事業などの分野で功労のあった人達で、テレビのニュースでよく見る、園遊会の時両陛下と談話されている有名人たちは、この功績者の類いで招待を受けています。
平成最後の園遊会
園遊会は昭和28(1953)年、昭和天皇の時代より始まります。当初は秋だけの開催でしたが、昭和40(1965)年から春にも行われる様になりました。
その後現在に至るまで、何回か中止になった事はあります。
昭和63(1988)年秋と平成元(1989)年春秋の園遊会は、昭和天皇の病気・崩御により取りやめとなりました。
平成7(1995)年には1月に起きた阪神・淡路大震災により春の園遊会が、平成12(2000)年には香淳皇后崩御により秋の園遊会が、平成23(2011)年には3月の東日本大震災の発生により春の園遊会が、平成28(2016)年10月の三笠宮崇仁親王の薨去の時は秋の園遊会が、それぞれ中止になりました。
来年4月30日には今上天皇が退位され、新天皇には代替わりの儀式が続いて極めてご多忙のため、来年の園遊会も春秋とも開催されません。
今上陛下のご退位後は、両陛下は全ての公的な活動から退かれるので、今後園遊会にご参加される事はもうありません。
平成30年11月9日、モミジが色付き始めた雨の赤坂御苑で、秋の園遊会、即ち平成最後の園遊会が天皇皇后両陛下主催で開かれ、宇宙飛行士の金井宣成氏、脚本家の三谷幸喜氏らと交流されました。
あいにくの雨模様となった平成最後の園遊会では、相変わらず仲睦ましい天皇皇后両陛下が、1本の透明なビニール傘の下、腕を組みながら寄り添う様にして、出席者と歓談されました。
皇太子妃殿下雅子様も全参加
園遊会は天皇皇后両陛下の主催ではありますが、ご皇族の皆様方もご列席されて、会の開催中は招待客をご接待されます。
しかし皇太子妃殿下雅子様におかれましては、長期に亘るご療養が続いており、園遊会のご参加を見合わせたりとか、或いは近年はご参加されるものの短時間で打ち切られたりされていました。
ところが今回、平成最後の園遊会では、あいにくの雨模様にもかかわらず、ある時は招待客と目線を合わせるために膝を落とし、低い姿勢になりながらも、終始にこやかな表情で最後まで交流されていたのです。
皇太子妃殿下雅子様が、園遊会に最後までご参加されるのは平成15(2003)年開催の秋の園遊会以来、実に15年振りの事でした。
おわりに
今回の平成最後の園遊会に15年振りに全参加されたという皇太子妃殿下雅子様は、実は直近の公務を見合わせ、満を持して臨まれております。
そこに、次世代を担っていくべき雅子様の強いご決意とご覚悟が、ひしひしと感じられ、こちらと致しましても身の引き締まる思いのする限りです。