インフルエンザワクチンの予防接種の時期になったら迷わず予約しよう

毎年年末を意識し出す時期になるとインフルエンザのことが話題になります。例年11~12月頃に流行し始め、春先の3月までにピークを迎えます。

皆さんは毎年インフルエンザワクチンの予防接種をしていますか。自分はインフルエンザにかかったことがないから、予防接種なんてしなくてもいいなんて考えていませんか。

確かにお金もかかることですから、予防接種せずに平穏無事に毎年冬が過ごせるのなら、それが一番いいのかも知れませんね。でもちょっと待って下さい。今まで一度たりとも発症したことがなかったにしても、今年絶対に羅患しないという保証はどこにもありません。

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目次

ワクチンとは

ワクチンとは、病原体やその毒素を弱毒化または不活化した製剤のことで、感染症の予防に用います。病原体等に対する特異的な免疫を導き出し、自分が病気にかからないようにする、あるいはかかっても症状が軽くすむようにするために接種するものです。

このように、ワクチンはウイルスや細菌に対する免疫を作り出し、感染症から個人と社会を守ってくれるのです。

ただし、ワクチンは抗生物質のように、病原体に直接作用するものではありませんので、その効果は接種した人の個体の反応に依存せざるを得ません。よってその効果にはどうしても個体差が出てしまいます。

インフルエンザウイルスとインフルエンザワクチン

インフルエンザとは、インフルエンザウイルスに感染して、のどや気管支、肺で感染・増殖することによって発症する感染症です。

インフルエンザは、呼吸器官の症状だけに収まらず、高熱、倦怠感、食欲不振などの全身症状が強く、たいていは頭痛や関節痛・筋肉痛など呼吸器官以外の症状が伴い、その症状は人体にかなりの影響を与えます。

さらに怖いのが数々の合併症です。気管支炎、肺炎、中耳炎、そしてさらに重大なものとして急性脳症や重症肺炎があり、命すら脅かす場合があります。

インフルエンザウイルス

インフルエンザウイルスには大別してA型、B型、C型に分類され、このうち季節性のものとして毎年ヒトに流行を起こすのはA型とB型です。A型はヒト以外にもブタ、ウマなどの哺乳類やカモ、ニワトリなどの鳥類などにも感染しますが、B型の流行が確認されているのはヒトだけです。

インフルエンザウイルスは、呼吸とともに体内に侵入し、のどや気管支、肺で急激に増殖していきます。インフルエンザウイルスの感染は、せきやくしゃみによる飛沫や接触によってウイルスが体内に入ることで起こります。それを吸い込んだり、触れた手で目や鼻をこすったりすることによって体内に侵入し、喉や気管支、肺で急激に増殖していきます。

インフルエンザワクチン

インフルエンザウイルスには前述の型の中にも様々な種類があり、流行する種類も毎年異なります。世界の流行状況からWHO(世界保健機構)が予測をし、それをもとに日本の研究機関がワクチンの種類を決めます。

インフルエンザワクチンを接種することで、インフルエンザウイルスに対する抗体ができ、かかりにくくなります。日本においても、毎年、インフルエンザの流行シーズンの前にワクチンを接種する方が年々増えています。

予防接種の必要性

インフルエンザの予防接種をしても、ウイルスの種類とワクチンの種類がはずれたら効き目がないとか、予防接種をすること自体によってインフルエンザにかかってしまうとかいった、根拠もない話を真に受けている人もいるようですが、これらの話は全て都市伝説的なものに過ぎません。

前者については、確かに予想に当たりはずれというものはあるみたいですが、それでもたとえドンピシャの種類のワクチンでなくとも、インフルエンザワクチンであれば、いわゆる汎用性というもので、半分以上の効果があったという調査結果があります。

後者については恐らく別の理由で、つまり注射することによって一部の人が熱っぽくなってしまうのが原因で、インフルエンザにかかってしまったと主張しているだけで、インフルエンザワクチン自体に感染力など全くありません。

発症を抑えるため

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確かに予防接種をしたにもかかわらず、インフルエンザにかかってしまうこともあります。しかし実は逆に、予防接種したからインフルエンザにかからないという保証などどこにもないのです。

なぜならワクチンというものは発症を抑止するものであって、感染を防御するものではないからです。ウイルスは目・鼻・口から容易に体内に侵入してきます。それを防御するのは粘膜免疫であってインフルエンザワクチンとは無関係です。

しかしウイルスがそれを突破して体内に侵入した時、ワクチンの免疫機能が発揮され、たとえ発症したとしても大事に至る前に抑え込んでくれるのです。

合併症を防ぐため

インフルエンザにかかればそれ自体非常に辛い思いをせざるを得ませんが、さらに恐ろしいことに重篤になりかねない合併症を引き起こします。過去の大流行時の死亡原因も細菌の二次感染での肺炎であったと報告されています。

つまりインフルエンザとは、特に合併症に細心の注意を払うべき病気なのです。インフルエンザワクチンは発症抑止だけでなく、合併症予防としても接種するべきです。ワクチン接種によって発病や重症化するのを阻止することができるのです。

自分だけという気持ちではいけない

インフルエンザワクチンをより積極的に接種すべき人たちがいます。小児や高齢者、病人等の抵抗力の弱い人、またその身近にいる保護者や介護者等です。

たとえ自分が羅患しなくても、こうした人たちにウイルスを感染してしまった場合を想像して下さい。

貴方は元気でピンピンしているのに、貴方のうつした菌のせいで重い病気にかかった人がいる、しかも貴方はそんな大変なことに何も気付かず、自分だけ平穏無事に暮らしている…。貴方はそれに耐えられますか。

極端な言い方をしましたが、誰しも大概は一日のうち何時間かは他人と一緒に過ごす機会があるわけですから、例えば職場で同僚・仲間にうつしてしまったりしては迷惑ですし、結局は自分にもそのしわ寄せが来てしまいます。

おわりに

例年10月頃には予防接種が始まるようですが、近年は意識する人も増えてワクチンがすぐになくなってしまう傾向にあります。できれば予約して、世のため人のため、大切な家族のため、そしてなにより自分のために、是非早めの対応をしておきましょう。

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